新田の事務所はいわゆるリノベ賃貸という形式である。空き家となっていた建物を現状のまま安くお借りし、改装やメンテナンスは借り手が行う。

 

借り手は私、ついに加藤毅建築設計事務所の仕事場が完成した。

場所は安曇野市豊科5825(旧豊科町新田区)、国道147号・千国街道沿いで豊科商店街を北に抜けた先にある。安曇野市庁舎も豊科駅も徒歩圏内、車と人通りが多い好立地だ。それでも空き家が点在する現状に、一部の住民がその活用を働きかけて計画が始まった。建築はものづくりだが、大切な事は仕組みづくりだと実感した。

 

問題をひとつずつ解決し私を後押ししてくれた地域の方々や、セルフビルドに協力してくれた職人に感謝の気持ちが溢れる。賃貸でありながら私好みの空間に設えた(床・天井・家具は無垢材、壁は漆喰)。壁の内側に断熱材を付加したら部屋は6畳半になった。この小さな事務所をとても気に入っている。ひとりで仕事をしていると、ほぼ毎日誰かが立ち寄ってくれてそれが楽しみになっている。大切に使わせていただこうと思う。

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